日 時:2019年6月9日(日)10:00~13:00
*終了後、ご都合のつく方で昼食会を行います。
(出欠は当日お聞きします。)
会 場:東京学芸大学附属竹早中学校(春日通りに面しています)
テーマ:「なぜ、長野県の人がつくば市に来て芝畑をつくったのか?」
講 師:石上徳千代さん(小学校教員)
参加費:500円(学生200円)
講師:石上さんから
小学校4年生の社会科での授業実践です。4年生の特色ある県内の地域について学ぶ単元で、つくば市の芝畑を取り上げました。つくば市の芝畑は、戦後の開拓に由来します。芝畑について学ぶと、陸軍飛行場、満州の開拓、長野県から茨城への入植など、戦中から戦後の歴史につながっていきました。その様子を紹介します。
報告(2019/06/21)
参加者:13名(小学校4名 中学校5名 高校2名 特別支援学校1名 その他1名)
1.参加者の感想
- つくばの芝栽培を通して、戦争の歴史を辿るという授業の方法がとても面白く、参考になりました。
- 子どもたちの疑問が生かされ、子どもを第一にした授業実践を知ることができ、とても勉強になりました。身近な題材を通して、子どもたちの「なぜ?」を引き出しながら授業を行うことを自分も意識して、日々の授業に取り組んでいきたいと思いました。
- 授業規律など、「形」だけでなく「中身」で子どもが自然と学びたくなる雰囲気の授業を自分も大切にしていきたいと思いました。
- 教師は、「子どもたちに学びを提供する立場」であり、「子どもがどう学んでいるかを大切にしたい」という姿勢がひしひしと伝わる実践報告で、とても参考になりました。
- 自分の職場の現状と比べながら、外へ足を運んで学ぶことの大切さを学びました。
- 身近な物事に疑問をもって、子どもたちと学ぶことの楽しさを教わりました。
- 石上先生の普段の授業の様子が分かり、このことも今回の講座の大きな魅力でした。
2.講師 石上さんのコメント
この度は授業づくり講座で報告の機会をいただき、ありがとうございました。拙い報告でしたが、皆さんが真剣に聴いてくださったので、たいへんありがたかったです。
今回の報告では、自分自身が気になっていた地域の事象を取り上げ、「なぜ」と問いかける問いを用意しました。調べれば調べるほど気になる事実につながり、わくわくしながら教材研究をしました。その様子も伝えられればと思い報告しましたが、うまく伝わったか自信がありません。しかし、自分の授業を振り返る貴重な機会となりましたので、授業づくり講座のみなさんには心からお礼を申しあげたいと思います。
また、質疑応答の中で、授業の進め方について、各地域で進められている画一化、形式化について議論になりました。私自身も最近の傾向を知る機会となり、たいへん勉強になりました。授業の形式化は、子どもの学びを妨げることにつながると思います。その点で、授業で子どもに向き合っている教師の判断がもっと尊重されるべきです。そのような意見交換もできたので、たいへん有意義な時間でした。これからも子どもの学びを大切にする授業づくり講座であってほしいと思います。ありがとうございました。
3.担当実行委員より
今回の講師、石上先生には、小学校4年生の社会科の実践を通して、授業づくりのポイントや考え方について話していただきました。学習の流れや使った資料、子どもたちの活動の様子なども、詳しく話していただき、実際の授業の様子が目に浮かぶようで、3時間という時間があっという間に感じました。
今回は、芝畑を起点とした授業実践を提供していただきましたが、身近な物事が少し見方を変えたり、取り上げ方を工夫したりするだけで、これほどまでに有用な教材になるのだということに、とても驚きました。子どもにとって面白く、深い学びになる授業をつくるためには、教科書や資料集だけでなく、身の回りのあらゆる物事や出来事に対して、高くアンテナを張っていなければならないのだということを強く感じさせられました。また、石上先生の授業では、子どもたちの疑問をとても大切にされているということが伝わってきました。子どもたちの疑問も、授業を組み立てていく上で、欠かせないものなのだということを学びました。
質疑応答では、社会科の授業に限らず、石上先生の授業を組み立てる上での考え方やテクニックなどもたくさん学ぶことができ、とても収穫の多い講座だったと思います。
今年度最初の講座でしたが、お忙しい中にもかかわらず、少しの時間でもと参加してくださった方も何人かいました。ありがとうございました。講座の内容はもちろんですが、様々な地域、校種の方が集まって話をすることで、今までになかった視点で物事を見ることができるようになるということも、この講座の魅力の一つだと思います。
次回の講座は9月の開催になりますが、多くの方の参加をお待ちしています。