日 時:2016年7月2日(土)14:00~16:30
場 所:台町市民センター(JR西八王子駅南口徒歩12分)
報告者:藤田 康郎さん
テーマ:「大使館への手紙から子どもたちが考えたこと」~6年生の憲法学習~
報告者 藤田さんより
2014年7月1日は、6年生の子どもたちにとって衝撃的なできごとがありました。政府が集団的自衛権を閣議決定したことで、子どもたちは“これから自分たちは戦争に参加しなければならなくなった”と、不安に駆られました。
10月に沖縄学習旅行に出かけ、沖縄戦の実相を学び、現在の基地問題を考えてきた子どもたち、沖縄戦は70年も昔の話でしたが、それで学習が終わるのではなく、今の戦争の問題に向き合うこととなりました。
一連の学習の中で、子どもたちは大使館に手紙を送って 戦争の問題をさらに深く考えていきました。そんな子どもたちの学びの様子を報告します。
また、憲法の学習として、今年度6年生と「憲法9条」と「朝鮮戦争」について取り組んだ授業についても簡単に報告させていただきます。
八王子支部より
いつも刺激的で挑戦的な授業を試みられている藤田さん、しかし、これを特異な教師や学校だからできる実践とみるのではなく、常に今を生きる子どもたちに何を教えるべきかと自問を続け、現実社会の中から課題を見つけ、一単元の授業群を自主的に構築、編成して取り組んだ実践として、改めて教育や教師のあり方について深く考えるきっかけになるのではないかと思います。
4月例会の社会科入門講座で、講師の栗原先生から“社会科は教科書通りにやれない教科、カリキュラムの自主編成が可能な教科”であることを学びましたが、藤田さんの実践はまさに自主編成力を有したきわめて自立性の高い実践といえるでしょう。「多くの教師は他者によって決定された教育内容(学習指導要領、教科書)を自らの教育内容とすることに甘んじている。それは教師から頭脳を取り去りロボット化することに等しい。・・・自立した子どもの育成を標榜するならば、教師自身が自立した存在であらねばならない。何を教えるかという目標は、子どもの現実を見すえた上で、教師自身の手で形成されるべきであろう。」と語った先輩教師の言葉が思い出されます。
学期末の忙しい時期ではありますが、このような機会に学校の外に飛び出し、いろいろな方と出会う中で現実社会に触れ、ともに学び合えればと願っています。多くのみなさまのご参加をお待ちしています。