日本史部会2013年6月例会

日 時:2013年6月29日(土)18:30~

場 所:筑波大附属駒場中高 

内 容:①実践報告「台湾の高校生との交流授業について」

     山田耕太さん

    ②共同研究「関東大震災時の情報の広がりについて」

     資料紹介その3 岩根謙一さん

 

会場から(2013.7.5掲載)

 

①「日台交流の特別授業」山田耕太さん

 勤務校へ台湾の高校生約50名が訪問した日の特別授業の内容を紹介しました。

 当日、生徒同士は英語でコミュニケーションをとるため、授業も主に英語で展開しました。授業では、クラスを10の小グループに分け、日台混合チームで与えられたテーマについて知恵を出し合い、クラスの前で「答え」を披露させました。

 野球をテーマに構成しつつ、最後は植民地支配について少し考えさせる…というところまでを狙いましたが、野球関連の質問を作りすぎて、時間切れ。

 多くの課題を残す授業ではありましたが、生徒は楽しく会話をしたり、課題を通じて台湾についてあまり知らないということを自覚したり、とそれなりの意義はあったのかという感触でした。授業者にとっても良い刺激となりました。

 

 

②「関東大震災時の情報の広がりについて」 その3 岩根謙一さん

 埼玉県における流言の広がりと、県内各地の虐殺事件についての紹介でした。

 埼玉県に特徴的な動きの一つとして、警察が朝鮮人の集団を県外に移送するということを行い、その過程で事件が発生するといった点があげられます(移送は他県でも行われたようですが)。

 関東大震災五十周年朝鮮人犠牲者調査・追悼事業実行委員会編『かくされていた歴史-関東大震災と埼玉の朝鮮人虐殺事件-』(関東大震災五十周年朝鮮人犠牲者調査・追悼事業実行委員会、1974年)等を参照しながら、議論を進めました。

 

[他の論点・疑問点]

・情報は、どのような伝達手段によって伝えられたのか。

・情報の経路を、地域ごとにもう少し丁寧に調べられないか。

・事件や騒動に関わった人々は、地域により、その職業などに

 差異がみられるのか。

などなど…

 

 先行研究整理もまだこれからですので、少しずつ学習・研究を進めていきたいと思います。